【 国外不動産にかかる不動産所得の適正化】
(1) 今までのスキーム
① 欧米諸国などでは日本よりも中古住宅の価値が下がりにくく、日本に比べ長期間使用することができる。
② 日本の税制では国内・国外不動産に同一の税制が適用されるため、国外中古不動産について「中古資産の耐用年数(簡便法)」を使用可能
EX)木造住宅、法定耐用年数20年
新築から20年以上経過⇒中古耐用年数4年(20年×0.2)
③ 取得当初は賃料収入を上回る減価償却費を計上し、その損失と給与所得等の他の所得と損益通算して所得の圧縮をする。
④ その後、損失から所得に転じる際に売却し、分離課税の恩恵を受けることができる。
(2) 令和2年税制改正による影響
個人については上記の損益通算が封じられることとなった(法人では可能)。
また、現在所有している国外不動産についても、令和3年以後の申告から適用されることとなる(令和3年以後取得分からの適用ではない)。
※ 令和2年税制改正大綱(一部抜粋)
個人が、令和3年以後の各年において、国外中古建物から生ずる不動産所得を有する場合においてその年分の不動産所得の金額の計算上国外不動産所得の損失の金額があるときは、その国外不動産所得の損失の金額のうち国外中古建物の償却費に相当する部分の金額は、所得税に関する法令の規定の適用については、生じなかったものとみなす。